2023年09月06日
潟をなみ寄席及び、消防音楽隊演奏会が中止になりました。
お知らせ
多目的ホール・キューブA、空調設備故障のため
下記イベントが中止になりました。
20周年記念事業
・潟をなみ寄席
・消防音楽隊演奏会
20th Anniversary Cultural Festival
文化祭
みんなの作品展は開催します。
10/7(土)~10/9(月・祝)
9:00~17:00(最終日16:00)

Posted by 和歌の浦アート・キューブ at
17:20
│Comments(0)
│★お知らせ│潟をなみ寄席(紀の会落語会)│20th Anniversary Festival│消防音楽隊演奏会
2021年12月24日
2021「潟をなみ寄席」のご報告!
令和3年 11月13日㈯ に開催した
わかやま市民会館落語倶楽部
「紀(しるす)の会」
「潟をなみ寄席」
2nd season
のご報告です

演者のみなさまの集合写真


前列左から
晴々亭 心 さん
笑泉亭 讃吉 さん
美山 はな福 さん
後列左から
ぱふく亭 笑音 さん
星野 するめ さん(この日は三味線奏者としてご出演)
宝満亭 福ぷく さん
なお、トップバッターでご出演された
龍門亭 梅安 さん は写っていませんが、
梅安さんがご用でお早いご帰宅後の集合写真撮影と
なったためです

また、『紙入れ』でご出演予定だった
桜亭 不二子 さん は、
今回は急用でお休みとなり、観客のみなさまからは
残念だ

また次回の名演を期待しています


龍門亭 梅安 さん

●あらすじ●
「新聞なんぞ読まんでも、私は大阪中のことなーんでも
知ってますで」
と言って憚らぬ男がいた。
ひとつからかってやろうと、男の知人がこう話し始める。
「何でも知ってるんやったらほなあんた、こないだ
阿弥陀池の尼寺にピストル強盗入った事件、
知ってるか?」
「なんですと、そんな事件あったんでっか!」
男は真に受けて話に聞き入る。
しかし話のオチで、実はただの言葉遊びの冗談話だったと
気づき、してやられたと悔しがる。
「腹立つわ!こうなったらわいも誰かに
おんなじこと言うたろ」
自分も誰かをかついでやろう!と意気込んで出かけた
男であったが…
マクラ(落語における本題前の導入部)の中でおっしゃって
いましたが、演者の龍門亭梅安さんのお名前は、
必殺仕掛人の「藤枝梅安」が由来とのこと。
(なるほど、髪型が似てる

この『阿弥陀池』は、上方古典落語のひとつです。
昨年度の潟をなみ寄席の演目にもあった『時うどん』
という噺と同じく、この『阿弥陀池』も「口達者な友達の
真似をし損ねる男の滑稽噺」というネタでしたね

昨年の梅安さんの演目は、枝雀さんの創作落語『いたりきたり』
でしたが、この『阿弥陀池』も「言葉遊び系」のストーリー。
粋な口調でテンポ良く、楽しく聴かせてくれました。
今回のお噺の後半では、少々「ご愛嬌」なシーンなどもまじえて、
それがまた新たな爆笑を呼んだという梅安さんの名演でした


晴々亭 心 さん

●あらすじ●
船場の商家のだんさん(旦那さん)はある日、
おてかけさん(お妾さん)のおたかさんのところへ
出かける。
ごりょんさん(奥様)には、
「寄り合いの網打ちで天満橋で魚獲って、
馴染みの店で料理させて一杯やってくるわ」
と嘘をついた上、アリバイ作りのため、
丁稚の定吉も同行させた。
だんさんはおたかさんの家で寛ぎ、脱いだ羽織袴を
定吉に持たせ、帰らせることにした。
1円を渡し、それで魚屋で適当に見繕って
「だんさんが獲った魚」とごりょんさんには言うように
命じたものの、しかしだんさん、
どうにも定吉がボロを出さぬかどうか不安でならない。
だからこのように言い聞かせた。
「”禍(わざわい)は下(しも)から”と言いますわな。
何でも事がばれるんは、下々の者がウッカリしたこと
言うからというんで、こんな言葉があるんや」
定吉は「あんじょう言いますんでお任せを」と請け負う。
しかし川筋の魚屋でメザシやカマボコを
買って帰った定吉は…
これも上方古典落語ですね。
だんさんの浮気はやすやすとごりょんさんに見抜かれて
しまうわけですが、
これはだんさんがダメですね

いくらちゃっかり者とはいえ、まだ幼い定吉ですから、
巧い言い訳をさせようなどとは虫のよい話

ちょっぴり色っぽいお噺なのですが、観覧者アンケートには
「心さんの話しぶりは色気があり、声も通って
とてもよかった」との賞賛が

そう、確かに心さん演じるごりょんさんとおたかさんの
セリフが、とっても艶っぽくて印象的でしたね


宝満亭 福ぷく さん

●あらすじ●
丹波の里の宿に泊まった大坂のお客人が、
翌朝気分よく目覚めて庭に宿の者を呼び、
「ここに手水(ちょうず)を廻してくれ」と声をかける。
(手水とは、現代でいう洗面歯磨きセット)
しかし宿の人間の誰も、「ちょうずをまわす」という
言葉の意味がわからない。
そこで村の物知りの和尚に尋ねたところ、
「長い頭と書いてちょうずと読む。つまりちょうずを
まわすとは、長い頭を廻すことを言う」と出鱈目なことを
教えられた。
和尚の話を信じた宿の者は、隣村の頭が長いことで
有名な市兵衛を呼び寄せて、お客人の部屋で頭を
グルグル回させる。
お客人は怒って帰ってしまった。
そこで丹波の宿の者たちは、「ちょうず」が何なのかを
知るため、大坂で宿に泊まってみることにしたのだが…
「訛りは国の手形なり、と申しますが…」とご自身の
転勤先での和歌山弁が通じないエピソードから始まった
福ぷくさんのお噺。
マクラからいきなり笑わしてもらいまして、『手水廻し』の
本編への流れもとてもなめらかでお見事

アンケートでも「挨拶(マクラのことかと)が上手だった」
というご感想がありました。
『手水廻し』は、上方古典落語の滑稽噺。
画像は「ちょうず」を振り回す爆笑シーンですが、
この動作だけでなく、福ぷくさん演じる頭が長い市兵衛の
セリフ回しも面白かったです。
アンケートには、「ちょうず」を飲む仕草が特に面白かった、
というお声がありました

終始かなり大笑いさせていただきました


美山 はな福 さん

●あらすじ●
長屋の隣人で幼馴染の兄ィと熊公。
似たもの同士の粗忽者(おっちょこちょい)だ。
ある日、宗右衛門町で行き倒れの骸が発見されたと聞き、
見に行った兄ィは
「これはうちの長屋の隣の熊公ですわ!」と騒ぎ出す。
「あいつそういえば今朝、頭イタて具合悪いと言うてました!」
そう嘆いて泣き伏す兄ィ。
しかし行き倒れが見つかったのは夕べのこと。
別人だろうと言われても兄ィは聞かず、
「あいつ初めて死んだんでわからんのです!」と
熊公に死人の自覚がないだけだと主張。
さらには「熊公本人に骸を引き取らせる」と言い出し、
長屋へ走った。
「おい、お前が宗右衛門町で死んでるぞ!」と兄ィに教えられ、
自分は死んだと思い込んだ熊公は、自分の骸を引き取るために
兄ィと共に宗右衛門町へ駆け付けて…
「アマチュア落語界の久本雅美」を自称するはな福さん

今回、お噺の前のマクラ代わりに、最近オンラインで習い始めた
という太神楽(だいかぐら)を見せてくださいました。
ここでいう太神楽とは、寄席でよく演じられる大衆芸能で、
染之助染太郎さんの傘回しなどが有名どころかと思います


「昨日偶然編み出した技」と、リフティングまで披露してくれたり

画像のはな福さん、ポーズがキマッてますね

その後の本題の粗忽噺も、もちろんバッチリ決めてくれました

『粗忽長屋』は、古典落語のひとつですね。
この粗忽ブラザーズの噺を聴いていると…
何だか、ドリフターズのいかりや長介さんと
仲本工事さん演じる、おもろい兄弟コントを
思い出したりも

そして、兄ィと熊公の粗忽っぷりを笑って聴いてたけど…
最後のオチで噺が終わった後、ふと
「もしかして、意外と熊公はホントに死んだことに
気づいてなかったのでは…」
なんて思い、不思議な気持ちになったりして

それはともかく、はな福さんの粗忽噺は天下一品。
「テンポがよくてにぎやかで楽しい」
「はな福さんの新たな挑戦(太神楽)を応援します!」
とのお声がアンケートに寄せられました


ぱふく亭 笑音 さん

●あらすじ●
甲斐性ものの年上女房をもらい、遊び暮らしている
男がいた。
しかしいい加減働かねばと考えだし、男は割のいい
百貨店の求人募集の話に飛びつくが…
笑音さんといえば、手作り人形を使ったパペット落語と、
様々なアイテムを楽器に作り変えてしまう超絶技の名手

コーナンやダイソーで買ってきたアイテムに電動ドリルで
穴を空け、筒状の箇所のあるものを何でもかんでも
管楽器に変身させてしまいます

画像は、キャンプ用の折り畳み椅子で作った笛。
ドラえもんの映画の主題歌(秦基博さんの名曲)を
演奏してくれました

この他、トイレ詰まりを復旧させる吸引棒(正式名称知らず)など、
様々な自作の「管楽器」を次から次へと出してきて、
有名曲を一節愉快に演奏してくれた笑音さん。
ホウキで作ったサックスによる「情熱大陸」は、ホントに
サックスに酷似した音色でビックリしました

そんな面白過ぎる笑音さん、ご本業は小学校の
先生とのこと

創作楽器演奏の後は、この日初演というパペット落語で
笑わせてくれました

アンケートでは、「子どもに聴かせたい」「アイデアが
すごくて夢がある」「笑音さんの普通の楽器演奏も
聞いてみたい」などの大反響が。
爆笑と感嘆の声と拍手で大盛り上がりでしたね


笑泉亭 讃吉 さん

●あらすじ●
清水の音羽の滝の茶店にて、通人で知られる
茶道具屋の金兵衛の不思議な所作を目撃した、
極道者の油屋の男。
金兵衛(通称:茶金さん)は茶店で出された茶碗を
せんぞこねくり回し眺め、 「はてな?」と首を
ひねっていたのだ。
油屋は「あの茶金があんなに気にかけていた茶碗、
きっと大変な値打ちものに違いない」と考え、
茶店から強引に二両で買い取った。
それを手に数日後、茶金さんの店に出向き、
千両の値がすると言って売りつけようとする。
ところが「ひび割れもないのに、どこからともなくポタポタ
茶が漏れるのを不思議に思い、はてな?と眺めて
いただけ」と茶金さんに先日の茶店での所作の種明かしをされ、
男は落胆する。
しかし通人の茶金さん、男を不憫に思い、その茶碗を
三両で買い取ってやり、地道に頑張って国で親孝行を
するようにと油屋を諭す。
恐縮して国に帰った油屋であったが、やがてこの茶碗の話が
評判となり…
昨年もトリをおつとめだった讃吉さん。
今回のも上方古典落語のひとつですが、「ネタおろし」と
おっしゃっていたから、讃吉さんにとっては初演ネタ
だったのでしょうか。
『はてなの茶碗』は、笑いあり、ちょっとホロリとさせる
ところもあり…
粋な好人物の茶金さんや(「理想の上司」にランクイン
しそうなキャラかも

憎めぬ人柄の油屋。
登場人物が魅力的だし、そしてその後のストーリー展開も
ワクワクさせてくれて、聴き終わった後は何だか
幸せな気持ちにさせてくれるお噺でした

讃吉さんの緩急巧みな話芸により、登場人物の姿が
聴衆の脳裏に見事に浮かび上がってきます。
時事ネタなども巧みに織り交ぜる讃吉さんのお話しぶりは、
本当に面白くて…
トボけた間の取り方とか、「ぁあー」とか「はぁー」とかいう
登場人物のひょうきんな声音とか…
そういうのだけでも、いちいちニヤニヤさせられてしまいます

「ぁあー」とか「はぁー」とか言うだけで笑わされてしまうんだから、
これはもう、讃吉さんのご家族とかお仕事の同僚の方とかは、
普段どうやって笑わずに我慢してるんだろう?と心配になります

アンケートにも「噺も動作も面白い」と大絶賛の声が
並んでいました

以上をもって、和歌の浦アート・キューブと
わかやま市民会館落語倶楽部「紀の会」さんとの
共催事業として開催された「潟をなみ寄席」は、
大爆笑のうちに終了しました



観客のみなさまからは他にも、
「玄人はだし、お金取れるのとちがう?」
「久しぶりに楽しい時間を過ごせた」
「ゲラゲラ笑って元気をもらった」
「笑うことはいいこと」
「音響もよくすばらしい会場」
といった感想を寄せていただきました

多くの方に楽しい時間を過ごしていただけたのであれば、
スタッフ一同嬉しい限りです。
紀の会のみなさんの素晴らしき熱演に深謝いたします

長く苦しいコロナ禍の時間を過ごしている私たち。
また時代の流れなのか、世の色々に不可侵の領域が
増えてきたのか…時には息苦しさや不自由さを
おぼえることもある日常

何ごとも昔と同じように、単純明快にはいかなくなりました

そんな中でも落語を聴けば、無条件にゲラゲラと
笑わせてもらえることがとても嬉しいですね

落語が存在してくれていること、落語と出会えたこと、
それに感謝したくなります

落語という伝統話芸の「滑稽さ」や「粋」といったもの、
そして、落語のもつ深遠な哲学。
それらがどんな時代においても失われることなく
存続してゆくことを、心から願います

紀の会さんのますますのご活躍を期待しております

潟をなみ寄席よ永遠に

2021年11月08日
11/13㈯、落語会「潟をなみ寄席」開催します!
昨年度(令和3年1月)開催し、
多くの観客のみなさまからご好評をいただいた
紀の会さんの落語会が、アート・キューブに再びやってきます

今週末の 11/13㈯ です

わかやま市民会館落語倶楽部
「紀(しるす)の会」
「潟をなみ寄席」
2nd season

細部まで表示する画像はこちら
↓

●開演 13:00
(開場は12:15)
●木戸銭 無料
●人数 先着50名様
「紀(しるす)の会」さんとは…
あの ”和歌山のおばちゃん” こと
桂枝曾丸さんを講師として実施した
「文化庁支援事業 和歌山市民会館落語ワークショップ」の
修了生で、2010年4月に結成された落語倶楽部です。
みなさま本業をお持ちでいらっしゃる
アマチュア落語家さんですが、
プロを凌ぐかと思うほどの素晴らしい話芸にて
アート・キューブ多目的ホールAを大爆笑の渦に
呑み込んでくれます

どうか笑い過ぎにご注意を

昨年の「潟をなみ寄席」開催のご報告記事はこちら
↓
昨年に続き今年もコロナ禍の中での開催。
密を避け、消毒や換気を行いつつ、
マスク越しの大笑いで(でも飛沫にはご注意を

コロナ疲れを癒していってください

「潟をなみ寄席」に関するお問い合わせは下記まで


和歌の浦アート・キューブ
(公益財団法人 和歌山市文化スポーツ振興財団)


※火曜休館日
※新型コロナウイルス感染拡大防止策について
●ご入場は先着50名様限定とさせていただきます。
●マスク着用、検温と消毒、お名前・ご連絡先のご記入に
ご協力お願い申し上げます。
●体調のすぐれない方のご来場はお控えください。
※駐車場のご案内
当日は臨時駐車場(当館から徒歩2分 下図参照) を
開放いたしますが、駐車スペースに限りがございます。
空きがない場合、片男波公園(万葉館)等の有料駐車場 の
ご利用をお願いいたします。
当館臨時駐車場案内図

片男波公園有料駐車場について
(片男波公園管理事務所HP)
http://www.wacaf.or.jp/kataonami/parking.html
2021年02月14日
「潟をなみ寄席」のご報告!
紀の会さん と アート・キューブ との共催事業
第6回「潟をなみ寄席」 を
1月30日㊏、31日㊐の両日、開催致しました

ご来場くださったみなさま、有難うございました

※ 「紀(しるす)の会」
あの ”和歌山のおばちゃん” こと 桂枝曾丸さん を講師として実施した
「文化庁支援事業 和歌山市民会館ワークショップ」の修了生で結成された
落語倶楽部です

以下に「潟をなみ寄席」当日の模様をレポート致します


*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~




この日ご出演の7名のみなさんです


前列左から:



後列左から:




龍門亭 梅安 さん
『いたりきたり』

この演目は、二代目桂枝雀さんの創作落語ですね。
あらすじは…ちょっと捉えどころがなくて、説明しがたいかも

動物ネタのユルユルとした言葉遊びか?と思わせて、実は哲学的なテーマを
内在した深遠なもののようです。
もしやこれ、高い技量を要する演目ではないでしょうか

ご来場者アンケートには「ひょうひょうとした話の進め方が良かった


おひさま亭 にっこり さん
『盗人の仲裁』

このタイトルは古典落語ですね。
盗人と夫婦の滑稽噺

◎空き巣に入った長屋で、早とちり亭主に間男と間違われた盗人は
「いえ、わては盗人で」と白状

誤解が解けて「夫婦別れせずに済んだ」と喜んだ夫婦は、盗人をもてなし…
笑泉亭 讃吉 さん
『ガマの油』

有名な古典落語ですから、知識のない我々アート・キューブ職員にも、
このタイトルは聞き覚えがありました。
蝦蟇の油売りの、流れるような口上が聴かせどころ

「さあさあお立ち会い、御用とお急ぎでない方は~…」
アンケートには、聴衆を巻き込む讃吉さんの話術に対し「さすがは

賞賛のお声が

桜亭 不二子 さん
『砂風呂』

◎旅先で男は、熱い砂風呂にええ塩梅で埋まりながら、隣に並んで
埋まっている連れの者と、日常の愚痴などやりとりし、マッタリしていた。
連れより先に砂風呂を出て、部屋に戻ってみると…

「不二子さんの人物表現の使い分けが巧みで素晴らしかった

とのご感想が寄せられました

美山 はな福 さん
『子は鎹』

有名な人情噺ですよね。
◎大工の熊五郎は遊女に入れ上げたせいで女房子供と別れたが、
しかしその後改心

3年後に町で息子と再会した熊五郎、小遣いを渡し、
明日また鰻屋で飯を食う約束をするのだが…
後半では、ホロリと来ること間違いなし

タイトルに使われている「鎹(かすがい)」とはコの字型をした釘のことで、
建材の接続用に使われます。
一般の人はあまり目にする機会のない大工道具ですが、演者のはな福さんは
鎹の実物を持ってきて見せてくれました

ぱふく亭 笑音 さん
『化け物使い(パペット)』

◎人使いの荒さのせいで奉公人が次々辞めていくご隠居さんが、
化け物屋敷と呼ばれる家屋へ引っ越すことに。
新居に現れた化け物たちも、このえげつないご隠居に
こき使われてゆき…というお噺

この画像のように、笑音さんがお化け人形(手作り?)を駆使して
演じてくださいました

笑音さんの小道具はいつも大ウケして大人気のようです

星家 するめ さん
『狼講釈』

◎大坂でしくじって西に逃げた流れ者の男。
旅先で「講釈師だ」と偽って無銭飲食、挙句に逃亡するが、
森の中で狼の群れに囲まれた

「お前のような奴は食ってやる

寄せ集めの講釈を垂れて…
アンケートには「するめさんの演じる、男の苦し紛れの寄せ集め講釈っぷりが
秀逸





この日ご出演の7名のみなさんです


前列左から:



後列左から:




桜亭 不二子 さん
『平林』

有名な古典落語の笑い噺ですね。
◎手紙を届けるよう頼まれた商家の丁稚さんが、お使いの途中で行先を忘れてしまう。
手紙の宛名を見ればわかるはずが、自分が読み書きできないことに気づき、
道ゆく人に尋ねるのだが…

「タイラバヤシかヒラリンか~…」
龍門亭 梅安 さん
『春風屋』
※うっかりこの梅安さんの一席の写真を撮り逃がしてしまいました


この『春風屋』も二代目桂枝雀さんの作品。
初日の『いたりきたり』もそうですが、桂枝雀さんの創作落語には、自然への畏敬の念や
「中庸の思想」とでも言うべき哲学が根底に横たわっている気がします。
そういえば演者の梅安さん、桂枝雀さんにお姿がよく似ていらっしゃいますね

(初日の『いたりきたり』の画像を見て頂ければわかるかと)
「春風屋~春風屋~ひと吹き十銭~…」
晴々亭 心 さん
『佐々木裁き』

◎名奉行で知られる佐々木信濃守が、市中で度の過ぎた
お白洲ごっこをする子供(桶屋のせがれの四郎吉)に驚き

親と一緒に番所に出向くよう申し渡すが…というお噺。
この演目の演者の晴々亭心さんは、潟をなみ寄席当日、会場受付の
お手伝いをしてくださいました。
受付でご一緒した際、ブログ担当者のわたくしC職員が落語に関する
超初歩的なご質問を発したのですが、とても丁寧に教えてくださり
嬉しかったです

おひさま亭 にっこり さん
『ぜんざい公社』

◎ぜんざいを食いたくなった男が、街で「ぜんざい公社」を見つけて入ったものの、
お役所仕事のひどいたらい回しに遭い、なかなかぜんざいにありつけない…
という風刺噺

日本の三大公社が民営化される前くらいの創作落語かと思います。
アハハ…でもまぁ、そういうのも今は昔

今は役所も公共施設も、とっても親切丁寧ですよね

我がアート・キューブも、市民のみなさまに寄り添う開かれた公共施設として
日々精進しておりますので

星家 するめ さん
『不動坊』

古典落語の1つ。
◎働き者のやもめ男・利吉に、講釈師の亭主・不動坊を病で亡くした後家さんとの
縁談が持ち上がる。
長屋のやもめ仲間どもは嫉妬し、不動坊の幽霊を仕立てて利吉を驚かせてやろうと
一計を案じるが…

美山 はな福 さん
『お見立て』

これも有名な古典落語。
わたくしC職員、この演目の終わり頃からようやく落語会場へ入らせて頂き、
直に拝聴することができました。
はな福さんの豪快なお噺っぷりに感激


最初からまるまる一席、ちゃんと聴かせて頂きたかったです

◎花魁の喜瀬川は、大嫌いなお客の杢兵衛が訪ねてきたことを疎み、
妓夫の喜助に頼んで居留守を使う

喜瀬川にとっては生理的レベルで嫌悪する杢兵衛だが、杢兵衛のほうは
すっかり喜瀬川に惚れ込んでいるもんだから、喜助の「病で臥せっている」
という言葉にも「では見舞いに」と食い下がり…

笑泉亭 讃吉 さん
『時うどん』

これも有名なお噺で、江戸落語の『時そば』の原型とのこと

◎要領よしの兄貴分といささか足りない弟分の2人は、うどんを食いたいのに
持ち合わせが足りない。
そこで兄貴分はうどん屋を騙し、十六文のうどんを十五文で食うことに成功した

味をしめた弟分は、翌日兄貴分を真似てひとりうどん屋に向かうのだが…
C職員、この讃吉さんのトリの一席は最初から最後まで全て、
この耳で確かに聴かせて頂きました

いや~こんなに面白いのなら、もっと無理してでも早い時間から会場に潜入し、
他の方のお噺もたくさん聴かせて頂けばよかったです

そして、楽しい寄席の時間はあっという間に過ぎ去ってしまいました…

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
ご来場のみなさまにはアンケート回答にご協力をお願い致しましたが、
「みなさん芸達者で素晴らしい。熱演に大変満足しました」
「テレビで観るプロの落語家さながらで、とても見ごたえがあった」
など、絶賛のお声ばかり

わたくしC職員もですが、落語が初めてだという隣の席のB職員なんかも
「みんな声がよく通ってお噺上手、すごく面白かった

と大喜びで会場から戻ってきていました。
本当にみなさん素人さんなのかしら


そしてアンケートでは、
「コロナ禍の中、開催ありがとう!」
「身近に落語に接することができてうれしかった」
「いっときコロナを忘れ、元気をいただきました」
「笑うのが一番のストレス解消」
といったお声も頂戴しました。
本当に、笑いは心身の健康にとって一番の薬だと思いますもの

当日は、我々スタッフに行き届かぬ点もあったかと思いますが、
こうしてお喜びの声を頂けてとても嬉しいです

また、このイベントへのご感想ではありませんが、
「このホールは素晴らしい。和歌浦の周辺の景観も美しいし、
和歌山の文化芸術の醸成にもっと活用されてほしい施設です」
とのお言葉も、アンケートにはありました。
そうですね

さらに多くのイベント開催で利用して頂けるよう、また当館自身の事業でも
様々なアイデアを発信していけるように頑張りたいです

ただアート・キューブは、敷地内の屋外にそれぞれ独立して建っている
A・B・C・D各棟により構成される施設であり、広いロビーのような
屋内空間が存在しません。
その構造上の問題により、暑さ寒さが厳しい季節や悪天候の日は、
大勢の参加者に長時間待っていただけるスペースの確保が困難です。
そんな当館における、コロナ禍の中の真冬のイベントということで、
「密」も「寒さ」も避けてご来場者をスムーズにご案内できるかどうか?
という点で、スタッフは開催前、随分頭を悩ませたものです

そして、会場のAホールとは別に受付部屋や待機部屋を設ける等の
対策を講じ、迎えた開催当日…
落語ファンの方々やご近所のみなさま、観光で和歌浦を訪問された人々が
ご来場くださいました

検温やアルコール消毒、来場者名簿作成のためのご記名にご協力くださり、
まことにありがとうございました

充分に間隔を空けた客席で、マスクをした来場者のみなさんが、
各々に大笑い





そんな安全な形で、楽しい落語会を開催し、みなさまに喜んで頂けてよかったです

でもアンケートには…
「満員の中でできる時期がきますように」
という願いも書かれていました。
ええ、本当に…
早くそんな日常が帰ってきてほしいものです

世界中のみんなの共通の願いごとですね

しかしコロナ禍の中にあっても、紀の会さんは精力的に活動を続けておられます。
「潟をなみ寄席」の後は、南コミセンでの落語会、そして市民会館での「伝法橋亭」と
予定は目白押し。
詳細は紀の会さんのブログをご覧ください。
↓
https://ameblo.jp/myougashirusu/
コロナ対策を実施しながらの活動でノウハウをお持ちの紀の会さんのお蔭で、
当館での「潟をなみ寄席」も無事終了できました

駐車場や会場前でのご来場者誘導などもメンバーさんが率先して
受け持ってくださったり…
本当にありがとうございます

落語 というすばらしき日本の伝統話芸に触れることができて、我々スタッフも
とても感動致しました

衣装や小道具などはもちろんお使いになるものの、でも
話術と表情、身振り手振りだけ…そう、ご自分の身ただひとつで、
あれほどの笑いあり涙ありの物語を演じ、見事に表現し切ることができるとは…
この究極の芸能には、人間の無限の可能性を感じさせられます



ずっと後世にまで受け継いで頂きたく、切に願います

紀の会さんの益々のご活躍を楽しみにしております

当館での「潟をなみ寄席」も、また第7回の開催も期待しておりますので


2021年01月29日
新春落語会『潟をなみ寄席』開催致します!

このサムネイルをクリックすると、細部まで拡大表示した画像が見られます。
↓

わかやま市民会館落語倶楽部 「紀(しるす)の会」 さん と
和歌の浦アート・キューブ との 共催イベント
新春落語会 潟をなみ寄席
の開催日は、いよいよ今週末の
1/30 ㊏ ・ 1/31 ㊐ です

4年ぶりにアート・キューブに帰ってきてくれる、紀の会さんの『潟をなみ寄席』

この催しを楽しみにお待ちくださっている方々は、きっと多いことと思います

週末は寒波の襲来が予想されます。
寒風吹く海辺のアート・キューブですから、
どうぞみなさま、暖かい服装をなさって
お越しください

開催当日のご案内事項を以下に記載致します

↓↓↓


●受付は別室D1で行います。
●先着100名様限定です。
Aホール入場前にまず受付部屋D1で、プログラムやアンケート用紙、
記名用紙をお受け取りください。
受付時、非接触型の体温計にて職員が検温させて頂きます。
●Aホール開場(12:15)までの待機部屋として、
C1・D1の2か所を開放致します。
受付がお済みの方は、「密」とならぬよう間隔を空けて、
お時間までお過ごしください。
待機部屋には筆記具の用意もございますので、待ち時間の間に
記名用紙にご記入して頂けます。
記名用紙は、Aホール入場時に必ず提出をお願い致します。
回収BOXはAホール出入口にございます。


●緊急事態宣言対象地域からのご来場はお控え願います。
●体調不良の方や発熱している方のご来場はご遠慮願います。
●ご来場のみなさまには、マスク着用、手指消毒をお願い致します。
●受付時、検温を実施致します。
●来場者名簿作成のため、ご記名をお願い致します。
●待機部屋や会場の換気を実施します。
ご来場者のみなさまにはご理解・ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます



当館の駐車スペースには限りがございます。
満車の場合は、恐れ入りますが300m南の
片男波公園(万葉館)有料駐車場のご利用をお願い致します


その他ご不明の点は、当館に直接お電話でお問い合わせください。
では、みなさまのご来場をお待ちしております

和歌の浦アート・キューブ

