2021年07月12日
写真集 『 水辺の人 』 閲覧して頂けます!
和歌浦の写真家
松原時夫先生の写真集
『 水辺の人 』
アート・キューブが所蔵 しておりますので、
当館にて閲覧して頂けます


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閲覧ご希望の方は、職員までお申しつけください

貸出は不可ですが、当館窓口でどなたでもご覧いただけます

道音舎さんから今年の2月に刊行された、この松原先生の写真集。
限定300部であったため、既に完売したようです

https://pub.michi-oto.com/
ちなみに余談ですが、上の画像で
写真集を立てかけている流木のスタンドは、
当館H職員の手作り。
「水辺の人」のタイトルプレートのフレームは、
陶芸の趣味をもつT職員が粘土で制作したもの。
松原時夫先生は、1940年和歌浦生まれ。
写真専門学校の教師を経て、プロカメラマンとなられました。
また、地元和歌浦で写真店を開業されてからは、
「町の写真屋さん」としての顔もお持ちの松原先生。
80歳を超えた現在も、カメラマンとして精力的かつ地道な
撮影活動を日々ライフワークとして続けておられます

松原先生が和歌浦の風景を撮影なさるお姿を、
時々アート・キューブ周辺でもお見かけします。
少し前、いつものように撮影で通りかかられた時かと思いますが、
ちょうど出会った自治会の方と一緒に、アート・キューブに
お立ち寄りくださったことがありました

はにかんだような笑顔が印象的な、
とてもお優しい雰囲気の松原時夫先生でした

『水辺の人』の撮影年は、1955年から1969年。
地元和歌浦や田ノ浦、雑賀崎の風景と、
そこで漁業や海苔養殖に従事する人々の姿を
松原先生のカメラが見事に捉えています。
見る者を、ドキュメンタリー映画を視聴しているような
感覚に引き込んでくれる、とても味わい深い
モノクローム写真集です

60年ほども経過すると、和歌浦の町は
すっかり様変わりしてしまった場所が多いけれど…
よくよく見ると、
「あ、ここってもしかして、あそこじゃない


と気づく場所もあったり、
今なおその当時と全く変わらない場所も残っていたり。
見ていてとても面白いです

和歌浦に古くからお住まいの方ならば、
ノスタルジーを強く掻き立てられるはず

和歌の浦の見事な景観も
豊かな海がもたらす海産資源も、
水辺に住まい、水辺に働く人々にとっては
「生活の場」であり、「生きる糧」。
観光でみえる方々が憧れる海も、その土地の歴史も、
生活者の人々にとっては、当たり前の日常


きっと当たり前すぎて、みんなが目に留めることもなく
やり過ごしてしまうもの。
でも松原先生は幼い日々、
自らも和歌の浦の水辺に暮らしながら、
人々が水と一体化して暮らす日常の何気ないドラマに
様々な感動をおぼえておられたのでしょう

やがてその鋭い感性が、写真撮影という芸術と結びついたのですね

地元和歌浦の皆さまも、観光でお越しの方々も、
ぜひ一度、写真集『水辺の人』をご覧になりにいらしてください

松原先生の和歌の浦への思いや、写真世界の奥深さを
知ることのできる一冊だと思います

和歌の浦アート・キューブ
073-445-1188
9:00~22:00
火曜休館日