2021年06月14日
スケッチ会ワークショップのご報告!
土井久幸先生の
スケッチ会(水彩画)
ワークショップ
を、5/26㈬に開催いたしました
その当日の様子のご報告です
今回はアート・キューブを飛び出し、
玉津島神社 さんの境内を
スケッチ会場とさせていただきました
当日は梅雨の中休みで、
「快晴」とはいかないものの
お天気に恵まれて良かったです
なにしろ、屋内のワークショップではなく
せっかくの外でのスケッチ会ですからね
まずは冒頭、玉津島神社のご神職から、
神社のご由緒やご祭神についてのお話をお聞きしました。
創立は、聖武天皇(第45代)ご即位の年の神亀元年。
「神亀」とは…我々には耳なじみがあまりないような元号ですが、
それほどに神代の昔なのですね
その1300年もの歴史をもつ玉津島神社さんのご祭神は、
・稚日女尊(わかひろめのみこと)
・息長足姫尊(おきながたらしひめのみこと)
・衣通姫尊(そとおりひめのみこと)
・明光浦霊(あかのうらのみたま)
19代天皇の后である衣通姫尊は、
衣を通して光り輝くばかりに麗しく、
また、和歌にも秀でておられたとのこと
衣通姫尊が祀られて以来、玉津島は
「和歌三神」(住吉大社・柿本神社・玉津島神社)
の一社となったそうです。
そんな玉津島さんの隣に建つアート・キューブですから、
和歌の浦の歴史について学ぶ会合を
毎月催してくださる利用者さんや、
歌句のサークルを定期的に開催してくださる方々が
何組かいらっしゃいます。
今後、そうした文化的ご利用がもっと増えていけば
当館としても嬉しいものです
さてさて、密を避けてスケッチ開始です
このコロナ禍の中においてですが、10名の参加者の方々が
集まってくださいました
みなさん、それぞれに場所をチョイスし、
アングルを考えていらっしゃいます。
ご持参されたデッサンスケールを用いたりして、
風景の切り取り方をお考え中ですね。
上の写真のように、奠供山に登る陰影に満ちた石段を
描いた方もいらっしゃいました。
その他、狛犬に焦点を合わせて描いた方や、
南参詣口の外に出て、境内ではなく不老橋方面を選んで描いた方など、
描く対象はみなさんそれぞれですね
ご神職の方と玉津島のご祭神に見守られながら、
みなさんどんどん描いていきます。
室内の教室ではなく屋外スケッチ会となると、
それぞれ離れた場所に腰を据えて描いている参加者のみなさんの間を
ご指導して回るため、大忙しの土井先生
その様子を巫女さんが激写なさっていますね
玉津島さんはインスタグラムをされているそうなので、
このスケッチ会の様子も投稿してくださるのでしょうか
そして、玉津島さんでの制作を終えて、アート・キューブ制作室C1へ戻ってきました。
みなさまお疲れさまです
土井先生が、みなさんの作品をひとつひとつ取り上げ、
解説をなさいました。
「ともすれば平面的になりそうなアングルなのに、立体感をよく表現できている」
「実際の配置をそのまま描くだけにとどまらず、
離れた場所にある狛犬や灯篭を組み合わせて一枚の絵として表現している」
と、それぞれの作品の特徴や長所を取り上げていく土井先生。
本当に、どなたも素晴らしい作品に描けていらっしゃいますし、
各作品の持ち味を余すところなく拾い上げていく先生もさすがです
今回は外でのスケッチ指導にお忙しかったため、先生ご自身の作品作りを
リアルタイムでは拝見することができず、それは少し残念でした
でも土井先生、ちゃんと巫女さんにモデルとなって頂き、ご自身の制作用の
撮影をなさっていたとのこと
そしてワークショップの数日後。
その先生の作品が、玉津島さんのインスタグラムにアップされていました
アジサイを愛でる、美しき巫女さんの横顔…
土井先生の作品を拝見していると…
題材である風景や人物がもつ「歴史」や「思い」といったものが、
絵画の背景からにじみ出てくるかのような感覚をおぼえます。
キャンバスという平面に描かれた「絵」というよりも、
まるで連続性をもった「映像」を見ているかのような気持ち
情景画の名手のモデルとなった巫女さんが羨ましいかも
このブログをご覧の方々も、ぜひ玉津島神社さんのインスタにアクセスし、
先生の作品をご覧になってください
今回、コロナ禍の厳しい状況での
当館自主事業スケッチ会ではありましたが…
毎回大人気の土井先生のワークショップであるということと、
和歌の浦の美景のひとつである玉津島神社を描けるということで、
10名の方が集まってくださり、
そのご協力の下、無事終了いたしました
平成22年には国指定名勝「和歌の浦」、
平成29年には日本遺産「絶景の宝庫 和歌の浦」
となったこの素晴らしき場所なので、
スケッチや風景写真撮影をされる方を
アート・キューブ周辺でよくお見かけします
我々職員も日々、この景観にどれほど心癒されていることか…
この恵まれたアートスポットに建つ当館ですから、
その「地の利」を活かし、
これからもみなさまの創作活動のお役に立てる企画を
様々に計画・実施していきたいと考えております